入浴は清潔に保つためだけのものではない!
介護における入浴の目的と注意点
入浴には多くの目的を持ち、そしてとても重要な役割を持っていることを説明していきます。そして入浴をする目的から注意すべきことも理解できます。その注意点については最後にまとめていますのでご参考ください。
高齢者が入浴をする目的
入浴をする目的は1つだけではなく、様々なものがあります。そんな数ある入浴をする目的の中で最も大きなものとなるのが、身体を清潔に保つことと言えます。新陳代謝を促進させて健康的な身体を維持し、特定の疾患を持つ方にとっては症状を悪化させないように抑止するなどの効果があります。
それ以外の目的としては、褥瘡がある方にとっては血行が促進されることによる改善の期待があります。関節の可動域が制限される拘縮の方は、お湯の中でマッサージをすることで可動域の拡大が期待でき、筋肉の拘縮が緩み改善が見込まれます。これらの疾患を持たない方にとっても、ほどよい疲労感と安心感で安眠するための目的を持っていたりします。
また直接的な身体への効果以外にも、入浴時に家族などの介助者や本人が身体の変化に気づくことができるという利点もあるので、発赤などを早期発見して、疾患を抱えてしまうことを未然に防ぐといった効果も期待できます。
入浴はとても重要
入浴にはこれまで紹介してきたようなたくさんの目的がありますが、これらはとても重要なものばかりです。若い人に比べて免疫機能が低下してしまっている高齢者にとって、身体を清潔にしておくことで様々なリスクを回避することができます。
また、たとえ家族と一緒にいたとしても孤独を感じやすいこともあり、夜を眠れずに過ごされることも少なくありません。このような状態でも入浴による安眠効果によりスムーズに入眠し、ネガティブになりやすい夜をしっかりと眠って過ごすことができます。
入浴介助をする際に気をつけること
では入浴を楽しんでもらうために入浴介助において気をつけることについて知っておきましょう。先ほども述べた通り、入浴には身体の変化に気づき疾患の予防をするという目的もあります。入浴介助は全身を観察できる機会ですので、皮膚が乾燥していないか、傷がないかどうかなどをチェックするようにしましょう。
そして体調が悪い時は無理して入浴をするのではなく、安静にすることが何よりも優先となります。入浴は体調を悪化させてしまう原因にもなりますので、温かいタオルで清拭するなどで簡易的に済ませます。
そして大事なポイントは、本人ができることはやってもらうということです。色々と手助けしたくなってしまいますが、洗えるところは自分で洗ってもらうようにするなど、ADSの維持に繋がるように心がけておくことが大切です。安心して入浴してもらうために、介助者は転倒防止など安全面に配慮して見守りましょう。
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