聞いて、考えることが大切
入浴を嫌がる方への対処も知っておこう
入浴介助をしようにも本人から拒否されてしまって困るといったケースは少なくありません。介助を行う方の都合もあるので、押し付けてしまいがちですがそれでは逆効果となります。入浴を拒否されてしまったり嫌がられた場合の対処法について知っておきましょう。
まずは理由を聞くことから
入浴を嫌がられたり拒否された場合には、必ず何か理由があって入浴を拒否しているということを理解しましょう。そのため、入浴を拒否された場合にはその理由を聞き、理解し、解決に向けて行動することが大切です。さらにその理由がなぜ生じているのかを1つ踏み込んで考える必要があります。例えば面倒くさいからという理由であっても、なぜ面倒くさいのかと考える必要があります。
筋肉が衰えてきている高齢者は、服を脱ぐことも浴槽をまたいでお湯に浸かることもこちらが考えているよりもずっと大変です。そのため面倒くさいという理由の中には疲れてしまうからという理由も考えられます。そして転倒してしまうことを考えて、恐怖から緊張して中々行動に移せない人もいることでしょう。
このように1つの理由からでも、複数の様々なことが要因となって拒否している可能性が考えられます。入浴をする際の動作ができなくなってきているのかもしれませんし、介護をする側の家族などに迷惑をかけたくないと気を使っている可能性もあります。聞いた理由から様々なことを想像し、どうすれば入ってもらえるのかを考えてみることが建設的です。
お風呂に入ろうと思えるように
聞いた理由から服が脱ぎづらくなってきていると考えられるのであれば、イスに座りながら着替えることができる環境を用意することで解決するかもしれません。滑ることが怖いと考えられるのであれば、滑り止めマットや手すりなどを導入することで解決するかもしれません。相手から理由を聞き、考えた上でかける言葉や必要なサポートについて考えてみましょう。
またかける言葉も「手伝うから面倒くさくないよ」などの言葉をかけることで、お風呂に入る気持ちへと変化してくれるかもしれません。家族の手を煩わせたくないと気を使って拒否しているようであれば、入浴介助をすることが苦ではないということを伝えましょう。
もし疲れてお風呂に入る気力がないと考えられる場合には、とりあえず足だけなどで部分的に終わらせるといった配慮もできます。シャワーで洗っていると気分が乗ってきて、そのままお風呂に入ろうかなと考えてくれることもよくあります。妥協してくれそうな部分から誘ってみることは意外と効果があると実感できるはずです。
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